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大規模修繕工事

Large-Scale repair

目 次

工事監理業務の内容

工事監理業務の内容 (設計監理方式の場合)

工事着工前

施工実施計画の承認

施工実施計画の意義及び内容

工事請負計画の締結に当たっての前提条件となっている基本的な工事計画に基づいて、現場での工事を実施するための施工実施計画を、施工会社から提出させ、それについて管理組合の要望を取り入れながら細部にわたって検討し、管理組合の確認を得た上で承認し、施工会社に適切に伝えます。

施工実施計画の内容は、工事工程計画、仮設計画、工事施工計画等から成り、その計画は、すべて安全面、品質面、環境保護面からの対応を十分に組み込んだものでなければなりません。

工事工程計画

工事工程計画で重要な点は、天候等の自然現象に左右される工事項目の組み込み方、自然現象に伴う避けられない工程の変更に対する計算等です。

仮設計画の内容

仮設計画の内容には、外壁面工事のための枠組み足場、養生ネットといったものから、現場事務所、仮設便所、資材・廃材置場、仮設の電気、水道、電話等まで、工事の実施にあたっての直接的なもの、間接的なもののすべてが含まれます。

工事施工計画

工事施工計画は、仕様書に基づいて工事を実施するための具体的な施工方法、材料、色彩計画等であり、当然仕様書の内容に該当する計画でなければなりません。ただ、管理組合を交えた協議に基づき、より実体的な計画提案があれば、当初仕様が修正されることもあります。

居住者に対する説明・広報

居住者への広報の必要性

マンションの大規模修繕における居住者への広報は、事業の円滑な進行に不可欠です。工事の発注者が工事現場の中で生活している状態で工事が行われるという稀有な工事環境から、居住者の全面的な理解と協力が必要であり、ある程度の辛抱は余儀なくされます。調査診断や設計の段階から工事専用の広報を発信し、工期中は更に工事専用の掲示板等を用意して、毎日更新される密度の高い広報が求められます。

工事説明会の実施

着工の半月から1ヶ月前の段階で、居住者に対する工事説明会を開催します。主催者は管理組合ですが、工事監理者と施工会社が主体となって行います。事前に作成して配布した工事説明会資料に基づいて、基本的な工事内容については、工事監理者が説明し、具体的な実施内容、工事工程、安全対策、注意お願い、工事現場体制、工事中の連絡方法等については、施工会社が説明するとともに、工事監理者が補完します。質疑応答も基本的には同様ですが、居住者に代わって重要な点の確認を施工会社に対し求める等は工事監理者の役割です。

工事着工中

工事の着手

工事の着手に当たっては、現場の職人集団を監督する現場代理人(現場監督)に対し、工事のポイントや職人等に対する注意事項を提示し、協議し、確認することが工事監理者の役割です。

工事施工内容の監理・報告

工事の着工前及び工事の各段階において協議し、決定された施工実施計画の内容に沿って現場での工事が実施されているかどうかのチェック、指示及び確認がこの段階での工事監理者の主業務です。工事監理者と施工会社との工事定例会は週1回、工事監理者、施工会社、管理組合の三者による工事報告会は月1回は必要であり、このときに工事の進捗状況の確認、問題点の検討と対策方法の決定、追加工事・変更工事の検討、承認等を行います。

工事工程のチェック

工事工程計画とは、工事の施工項目ごとのスケジュールのことで、各項目とも相互に関連しながら、その流れを維持していくようにくまれています。したがって、実施計画通りに現場工事が施工されていない等の理由により是正作業が発生した場合には、それに関連する工事、次工程等へ影響が出ることになります。もちろん、予測し得ない天候の変化によって工程の変更を余儀なくされることも多いです。工事監理者は、これらについて状況を正確に把握し、現場代理人を通じて的確な指示を与えなければならず、また、その監理状況を管理組合に対し適時に報告する義務があります。

工事の施工状況のチェック

現場の工事の施工が計画通り実施されているかどうかのチェックは、工事監理者の最も重要な業務です。足場に登り、自らの目と手で施工状況を確認・検査し、不具合な点があれば、是正させます。もちろん、全箇所の確認は不可能なので、直接見ることができなかった箇所については、施工会社の確認、検査記録等をチェックします。

工事監理者は、ただ単に、計画内容に沿って、現場施工がなされているかどうかのチェックにとどまらず、職人の力量の差異等から生じる施工品質のばらつき等にも留意し、現場責任者や現場代理人を通じて適切な指導を行い、施工品質の確保に努めなければなりません。

居住者への対応

マンションの大規模修繕工事は、その建物内で居住者が日常生活を営んでいる状態で実施されます。そのために、工事中の事故防止等、安全面での管理は最も重要視されますが、安全を確保するためには、工事を施工する側だけでなく、居住者個々の全面的な協力が不可欠です。そこで欠かせないのが、各種の広報手段による注意の喚起、危険区域の明示の徹底化、安全管理者による日常的な監視等で、これらの実施状況を常にチェックする必要があります。

また、多くの工事関係者との直接、間接の接触から生じる居住者からの苦情、要望及びトラブルが必ずついてまわると考えるべきで、それらに対する適時、適切な対応も、工事監理者の役割となります。工事監理者の権限の範囲で処理できない事柄については、管理組合との協議の上での対処が必要です。

中間検査・中間工事代金請求書査定

前述の工事工程や工事の施工状況のチェックは、その都度、日常的に実施されるものですが、同様の趣旨で、例えば、下地補修工事が終了した時点等、全工事工程中の重要時期に、管理組合の立ち会いの下で、全体にわたるチェックを行うのが中間検査です。工事費の中間払いについては、その説明や工事進捗度が工事請負契約書に定められた段階に達しているかどうかを審査し、過払いにならないように注意します。

工事完了時

竣工検査

工事の施工が最終段階を終えた時点で、竣工検査を実施します。実際には2段階あって、外壁等の足場解体前検査と全工事が完了した時点での最終検査です。また、検査者主体別に、施工者検査、監理者検査、管理組合検査(居住者確認)があって、手順としてはこの順番で行います。工事監理者は、技術的な品質検査を行うだけでなく、関係者の各種検査の内容、検査方法、工程等について、計画・調整し、検査結果による手直し作業(ダメ直し)の指示、確認を行います。

最終工事代金の審査

工事完了に伴い、工事監理者は施工会社から提出された工事費精算書を精査し、最終工事代金を確定して、管理組合の承認を得ます。 最終工事代金は、工事中の追加変更や実費精算等の増減を織り込んだものであり、当初の工事請負契約書の最終支払い金額とは必ずしも一致しません。

工事完了に伴う監理報告

工事の竣工検査、それに伴う手直し(ダメ直し)が終了した段階でその工事は完了し、施工会社は竣工届を含めて種々の書類を取りまとめた竣工図書を工事監理者に提出します。工事監理者は、その竣工図書をチェックした上で、工事監理者名で工事監理完了届を作成し、それを含めて「工事監理報告書」をまとめ、管理組合に提出し、それらの内容について説明します。

竣工図書リスト例を次に示します。

大規模修繕工事竣工図書リスト

  • 1.工事請負契約書(本文のコピー)
  • 2.竣工届
  • 3.竣工引渡書・建物引受書
  • 4.工事費精算書
  • 5.保証書
  • 6.専門業者及びメーカーリスト
  • 7.アフターケア体制リスト
  • 8.竣工仕様書
  • 9.色彩計画書・施工計画書
  • 10.調査・施工図
  • 11.工事に関する報告書
  • 12.工事予定とPR綴り
  • 13.完了確認書
  • 14.メンテナンス方法及びアフターケア
  • 15.工事記録写真(別冊)
  • 16.竣工写真(別冊)