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大規模修繕工事

Large-Scale repair

目 次

小規模マンションの修繕

小規模マンションにおける修繕のすすめ方のポイント

戸数が少ない小規模マンションでは、設計事務所などをパートナーとした設計監理方式とすると、コンサルティング費用で1戸当たり負担額が大きくなってしまいます。

一方、過剰な設備がないことや、区分所有者の数が少ないことから、合意形成しやすい、というメリットもあります。特に日頃からのコミュニティが良好に保たれている管理組合は、修繕のみならず、数々の難題を一致団結して乗り越えることができます。

また、自主管理方式にすることにより、管理委託費相当額を修繕費に充て、費用面での負担を軽くする取り組みを行っている管理組合もあります。

小規模マンションでは、このような特徴を踏まえ、管理会社活用方式にしたり、設計事務所などに、「建物診断や施工会社から提出された見積書のチェックなど必要最低限の第三者によるチェックを依頼する」といった " ポイントコンサル " を採用することもできます。

いずれの場合も、全員参加型(責任分担型)の監理方式を採り入れるなど、「管理組合で出来ることはやる」という姿勢が大切です。

ポイント 小規模マンションの場合に想定される問題点

小規模マンションにおいて大規模修繕を進める場合に想定される問題点と対応のポイントを整理すると、次のようになります。

1.日常の管理

想定される問題点
  • マンション規模が小さくスケールメリットがないため、建物の管理に充当できる費用が十分にない場合がある。
  • 管理員(管理人)が不在または巡回管理となり、日常の点検に十分目が行き届かない。
  • 管理費が安価な管理会社に委託しているものには建物や設備の管理が十分に行われていないことがある。

対応のポイント

  • 管理組合自らが「共用部分維持管理履歴簿」(1)を活用して建物の状況などに定期的に目を配るように心がけ、できるところから管理を補っていくよう努める。(2)
  • 小規模マンションの家庭的コミュニティを活用して、管理組合が継続的に建物の状況を把握するよう努める。
    ((例)理事以外の区分所有者も含めて点検を実施)

2.長期修繕計画

想定される問題点
  • 長期修繕計画がない。
  • 長期修繕計画が建物の状況とあっていない。
  • 長期修繕計画の作成後、長期間劣化診断や修繕履歴を踏まえた見直しがされていない。

対応のポイント

  • 長期修繕計画がない場合は、大規模修繕を契機に作成しておく。

修繕時期や金額の目安は、「修繕積立金マニュアル」(3)や(財)マンション管理センターの「修繕積立金算出システム」(有料)で概算金額を知ることができる。

3.大規模修繕準備段階

想定される問題点
  • マンパワーが不足し情報量が少ない。

対応のポイント

  • 修繕のすすめ方、コンサルタント及び施工会社などに関する情報を収集する。

(参考)情報収集元

行政、公庫の窓口、また各地域の管理組合団体での相談

大規模修繕を行った管理組合へのヒアリング

各地域の管理組合団体が行う大規模修繕見学会、セミナー等への参加。

想定される問題点
  • 集会所や管理事務所がないマンションでは、建物の図面や修繕履歴等に関する書類の保管場所がなく、書類が残されていない場合がある。

対応のポイント

  • 書類の保管方法にルールを決めておく。

4.大規模修繕・パートナー、施工会社選び

想定される問題点
  • 設計監理方式の採用は、費用面から困難な場合が多い。

対応のポイント

  • 費用に余裕がない場合は、管理会社活用方式や責任施工方式を検討する。

(参考)「ポイントコンサル」について

責任施工方式に設計監理方式の要素を取り入れ、次のような最低限のチェックのみをパートナー(コンサルタント)にアドバイスしてもらう「ポイントコンサル」を依頼した事例もある。

「ポイントコンサル」の業務例

建物診断

施工会社から提案された工事内容や見積書のチェック

大規模修繕を行った管理組合へのヒアリング

工事の節目での工事現場のチェック

5.工事中

想定される問題点
  • 敷地が狭く、現場事務所が確保できない。会議ができない。
  • 工事現場が相対的に小さいため、施工会社の現場代理人が常駐しないことがある。

対応のポイント

  • 工事内容の打ち合わせ、区分所有者、居住者等への工程の周知及びトラブル解決、修繕工事の品質確保のために、現場代理人の役割は非常に大きい。極力常駐してもらうのが望ましい。

1 参考文献(「共用部分維持管理履歴簿」住宅金融公庫)

2 参考文献(「管理組合でできる日常点検と簡易診断」澤田博一著)

3 参考文献(「修繕積立金算出マニュアル」(財)マンション管理センター)